子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染は「HPVワクチン」で防ぐことができ、検診は早期発見や治療につながります。 これらの「命にかかわる大切なこと」をさらに広く知ってもらおうと、11月24日から、大阪市と医師らが連携し、TwitterやYouTubeでの発信を始めます。 大阪市健康局や民間企業「Godot」と三者連携で、HPVを無料で受けられる定期接種対象の児童・学生や、保護者らに向けて発信します。 「みんパピ!」は、HPVワクチンに関する最新の正確な情報を伝えようと、産婦人科医や小児科医たちが2020年夏に立ち上げた啓発プロジェクトです。
ハガキでは情報が“届かない”。若者世代に「馴染みのあるSNSで」
大阪市が今回、医師らと連携してSNS発信に力を入れるのには、理由があります。 市は、子宮頸がん検診やHPVワクチンについてのお知らせを、対象者にハガキや手紙などで郵送してきましたが、若者世代には「紙ベースでは情報が届きにくい」という悩みがあったのです。 そこで、ワクチンの接種対象者や保護者らに、より馴染みのあるSNSでの情報発信を強化することにしたといいます。 大阪市健康局の担当者は取材に対し、「SNSでの発信が、少しでもHPVワクチンや子宮頸がん検診に関心を寄せてもらえる後押しやきっかけになれば」と話しました。
ツイート100日チャレンジにYouTubeライブ。「知ってほしい」命に関わる大切なこと
まず24日から始まったのは、Twitterでの発信。 3月4日の国際HPVデーまで「100日チャレンジ」とし、子宮頸がんやHPVワクチンについての情報をツイートします。 みんパピ!の副代表で医師の木下喬弘さんは24日、報道陣に対し「多くの人の健康を守るために協力できれば」と話しました。 大阪市健康局の担当者は、連携のスタートに際し、このようなコメントを寄せています。 「“行政”にしかできないことと、“民間”だからできることをマッチングした新たな取組を通して、市民の皆様を中心に広く発信していきたいと思いますので、ぜひご覧ください」
誰が無料でHPVワクチンを受けられる?検診の頻度は?
ここ1年ほどで、HPVワクチンをめぐる状況は大きく変わりました。 結局、どの年齢層が無料で接種できて、検診は誰がどれくらいの頻度で受けるべきなのでしょうか? まず、子宮頸がん検診は、20歳以上の女性には、2年に1度の頻度で定期的に子宮頸がんの検診を受けることが推奨されています。 検診は、無料で受診できる券を対象年齢の女性に郵送していたり、費用の助成があったりする自治体もあります。自分の自治体の制度を調べてみてください。 例えば大阪市では、20歳になった女性に、無料で受診できるクーポンを郵送しています。 国は2013年4月から、この学年の女子を定期接種の対象にしていました。しかし、接種後に体調不良を訴える声をメディアが副反応と決めつけて報じたこともあって不安が広がり、国は積極的にお勧めするのを一時的に止めました。 安全性や効果が十分に検証されて8年半経った昨年11月にお知らせ送付の再開が決まりましたが、無料接種のチャンスを逃した人も多くいます。 正しい知識や接種機会の周知をするため、この4月から、本格的に対象者の女性たちにお知らせが届けられています。 また、平成9~17年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日)でうち逃した女子は、2025年の3月まで、無料で接種することができます。「キャッチアップ(追いつくための)接種」と言います。 このほか、平成18・19年度生まれの女子も、通常の接種対象の年齢を超えても、2025年3月までは無料でうてます。